海と大地、一見すると相反する地球の構成 要素であるが、バワは海は大地であり、大地は 海であるという両義的な、共通する性質を見出 し、造形原理としてランドスケープを創造する。
うねる大地のアンジュレーションは、あたかも 海の波のように建物に押し寄せ、建築を飲み込 もうとさえしている。点在する石は、波間に見え がくれする岩礁そのものだ。
それはホテルに南面するインド洋の風景の隠 喩でもある。
エントランスホールのラキ・セナナヤケの彫刻
機能的でしかない階段室をオペラを見るようなドラマ ティックな空間に仕立ている。ポルトガル人がシンハラ人 を追い詰め、進軍する様子が克明に描写されている。 最初は、暗くて何が表現されているかわからないのだが、 上部に登るほどトップライトの明かりが彫刻を照らし出 し、そのシーンが詳らかになっていく。