読者からの感想と筆者からのコメント
十数年前から漠然と考えていた「多種共生 (異齢・不斉・ 混交)の植栽手法」が具体的なイメージを伴い、はっきりと見 えてきました。空想植栽ノートと題して、その概要をLD No.143・No.145に寄稿いたしました。また、東京農大の授 業でも取り上げていただき、受講者の皆様から感想文をいただき、筆者からコメントを返信させていただきました。皆様か ら頂いた感想は、発案者にとって大変励みになり心より感謝 いたしますとともに、皆様のご協力で更なる展開を図りたい と思っています。ご意見を編集部までお寄せください。
東京農業大学地域創成科学科 内田 均 教授 植栽技術論授業より
❶ランドスケープデザイナーの平松清房 さんの「空想植栽ノート」に関しては、「森の 花束」という例えが華やかで印象的だった。
また森林では間伐ができず、林床に光り が当たらないことにより、下草が育たない 等のイメージがあった。しかし、「近接して 植栽することにより、お互いに競争して早く 上に伸びようとする力をフルに発揮するこ とが可能」や「微気象を緩和して菌根菌の生育も旺盛になり根からミネラルを吸い上げ る力が増し成長が一段と促進取れる」と いった利点から、利用目的等が変われば密 植も良い効果をもたらすことがわかり、興 味深かった。
①「森の花束」の感想をいただきありがとう ございました。林床の光量は、高木、亜高 木の密度、樹種(常緑・落葉)等により様々 に変化します。落葉樹主体の樹林では、秋 から春まで林床に光が射し込み林床には多様な下草が生育可能です。しかし高木、亜 高木を常緑樹主体に構成すると下草生育は 無理かもしれませんね。今後、検証して参 ります。
❷ 森の花束で、近接して植栽することによ りお互い競争して早く伸びようとする力がある ことに、すぐ近くにライバルがいるような人間 味を感じて面白いなと思いました。
また、私は絵がとても魅力的に感じました。 少ない鉛筆のタッチできれいに分かりやす く説明されていてとても感動しました。
②絵を気に入ってくださりありがとうござ います。入社当時(50 年前)は絵が苦手で、 コンプレックスがありました。今でも得意で はありませんが、考えていることを皆さん に伝えるため一生懸命描いています。 「Landscape Design No.145 号」に空想植 栽ノート②としてスケッチを掲載していま すので、ご覧ください。よろしければまた感 想を聞かせてください。
❸平松先生の新しい植栽デザインについて 私は都市部での活躍が期待できるのではな いかと感じました。この小さな森の花束は 小さくまとまっていますが3本の高木が天 に広がることで実際より大きく見せること