DAY-1
普段交流する機会のない全国各地の学生、OBOG の皆さんと意見を交わせる貴重な機会をいただき、私自身も大変良い刺激を受けることができました。どの作品も、コンセプトワークから対象地の選定、敷地調査及び分析といった各ステップが非常に丁寧になされている点が好印象でした。特にコンセプトワークでは、社会の抱える課題をランドスケープという切り口からうまく捉え、それにどうデザインで応えるかといったプロセスがわかりやすく整理されており、大変興味深く拝聴できました。
一方、ディティールのデザインに関する提案があまり聞けなかった点は残念でした。コンセプトを実現する為に、どこをこだわってデザインしたかの詳しい説明があれば、より魅力的で説得力のある提案になったかと思います。今回の企画のように、大学同士のつながりを活かし、世代や立場の垣根を超えて刺激を受けあえる場が今後も持続、発展していくことを願っています。(盛岡諄平)
今昔を紡ぐ人と自然のものがたり
福嶋章乃 京都芸術大学
かつて舟運で栄えた東横堀川に観光船を引き込み、地域の拠点として発着所と親水空間を設計し、上町大地全体の歴史的資源を巡る広域でのゾーニングを示したランドスケープからまちづくりまで考えられた作品。スケッチや地形と称する階段のデザインは魅力的で多様な空間が場所ごとに展開されているが、リサーチから設計への繋がりが見えづらく、敷地を中心とした小さなスケールでの分析があると説得力が増すのではないだろうか。(井上雅也)