Special Report: Online lecture by Kosuke Motani from Kamimachi marumonogatari
"Ten years since the 2011 Tohoku earthquake"
藻谷浩介(もたに こうすけ)
1964年山口県生まれ。地域エコノミスト。株式会社日本 総合研究所主席研究員。平成大合併前の約3200の市 町村すべて、海外114カ国を私費で訪問。地域特性を 多面的に把握し、地域振興や人口問題に関して精力的 に研究・執筆・講演を行っている。著書に『デフレの正体』、 『里山資本主義』、『観光立国の正体』、『東京脱出論』、 『進化する里山資本主義』などがある。
2021 年3 月11 日、東日本大震災から10 年が経ちました。昨年10 月発行の本 誌No.135 では、藻谷浩介氏を囲んで被災地の10 年を振り返る紙面座談会を企画し ました。今回はそれに続く第2 弾として、東北の5 地点を繋ぐ藻谷浩介オンライン 講演会です。「藻谷浩介と行くバス講演ツアー」で出会った現地の方々にご参加いた だき、事実を数字で示しながら、震災直後の状況、訪問した際の現地の様子、新型コ ロナウイルスと闘う現状、そして、今後の展望を語っていただきます。
講演会の模様は、この度オープンしましたマルモ出版の「本の工房 上町まるもの がたり」からの発信です。「庭づくりからまちづくりへ」をコンセプトに、エンドユー ザーへの新しい情報発信基地を目指すブックサロンです。
最初のイベントに藻谷氏をお迎えできたことを大変うれしく思います。
ランドスケープデザイン編集部一同
■プログラム:「10 年目を迎える東日本大震災」
講 師: 藻谷浩介氏
ゲスト: 遠藤雄幸氏(福島県川内村 村長)
: 千葉清英氏(宮城県気仙沼市:気仙沼フェニックスバッティングセンター)
: 小林文紀氏(福島県郡山市:NPO 法人福の島 PJ・(株)福豆屋)
: 冨手淳氏(岩手県宮古市:三陸鉄道 (株 ) )
: 町田直子氏(青森県八戸市:(株) AC プロモート)
進 行: 森本八月喜氏((有)HA2)
グラフィックレコーディング制作:古谷栞氏(法政大学大学院 修士1 年)
主催:(株)マルモ出版
協賛:NPO 法人コンパス, 福の島プロジェクト,
NPO 法人福島屋商店
企画運営:(有)HA2
配信:(株)NAGAI
森本 藻谷浩介オンライン講演会にご参 加いただき、ありがとうございます。本 日は全国からご参加いただいております が、東京は、コロナ禍による緊急事態宣 言がまだ明けない中です。
震災から10 年、愛媛出身の私が、東 北と近づけたのはこの震災の後です。そ して、気持ちをぐんと繋いでくださった のが藻谷さんでした。
事実を自分の目で見る、そして忘れな い、ということを示して下さり、その先 に足掛け6 年の間に8 回被災地を訪問す るバス講演ツアーを実施してきました。
奇しくも、世界は新型コロナウイルス との戦いの渦中にあり、目に見えないものへの言い知れぬ不安は、放射能のそれ と似ているかもしれません。そして、リ モートワーク・web 会議・地元回帰・二 拠点居住など、ライフスタイルの変化も 見えてきています。
10 年前の震災、そしてコロナ、こう した災難と私たちはどう付き合っていく ことが大切でしょうか?
藻谷 震災もコロナも同じです。わずか しか経ってない間に「みんながこう言っ ているから、又は言わなくなったから片 付いたのだろう」と思っているかもしれ ませんが、現実は違います。報道されて いない問題もたくさんあります。逆に大 変だと報道されていてもそうでないこともあります。
コロナの典型が変異株とワクチンで すね。変異株がどんどん出現してきて 感染が拡大し、日本でも変異株が流行っ ているという報道がされました。大阪の ニュースに東京から出演していた私は 「去年の夏から東京で変異してきた東京 型だという事を知らないのだろうか」と 思いました。その前は欧米型が流行って いました。世界には4,000 種以上の変異 株があります。
まず、モデルではなく現場を確認する ことがとても大事です。東日本大震災も コロナ禍もファクトファインディングの