LANDSCAPE DESIGN ランドスケープデザイン

16 目白庭園を見る

あまり知られていないが豊島区目白に小粒でピリッと美しい日本庭園がある。JR目白駅から閑静な住宅地を池袋方向に進んで5分程、塀に囲まれた 大きなみどりの空間が現れる。お屋敷の様な佇まいは存在感充分で、入り口は立派な長屋門。思わず入場料を払おうとしたが何と無料。とても気分 を良くしてパンフレットを確認すると、目白庭園は公立学校共済組合保養所跡地に平成2年(1990)11月に建設した庭園(2,842㎡)で、児童公園 (現在は街区公園)と呼ばれるスケールの日本庭園である。作者は名匠:伊藤邦衛、脂の乗りきった60代の作品で大いに期待して庭園に入った。

小さいながらも廻遊庭園

入口の長屋門は左右に管理スペースを 設けたバランスの良い建物。門のフレーム に入った庭園の姿はほの暗く、日本庭園ら しい雰囲気が充分にうかがえる。正面奥に 見える和風の建物「赤鳥庵」に向かってわ ずかな勾配で上がるアプローチはとても美 しい。赤鳥庵とは大正7年、鈴木三重吉に よってこの地で創刊された子供のための文 芸雑誌「赤い鳥」に因んで名付けられた建 物である。集会や茶会など申し込めば利用 できる施設で様々なイベントも開催している。  入り口は雑木林となり、そこからは右手に スペースが開き池が眼下に見え、自然とそ の方向に歩を進める。水面は意外に低くつ くられ、下って行くとそこには別世界が広 がっていた。池に向かう階段とスロープの幅 は広く、公園としてつくられた日本庭園だと 改めて認識させてくれる。

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