室内緑化によるエコロジー環境づくりとその効能⑥ 最終回
「人は本能的に自然とのつながりを求める」というバイオフィリア仮説に基づいて、1日の内の90%近くを室内で過ごすという都市生活者のために、植物を室内に導入しようというオフィスが増えている。
バイオフィリアは「生命(植物)、あるいは生命のシステムに対する愛情」ともいわれている。人と植物が共生するには、植物が人と同じように元気で育つことが重要である。多くの植物の中で仕事をし、植物とともに過ごすことは、メンタルヘルスケアや生産性の向上の観点でその重要性が認められている。
だが、屋外の自然環境の中で育つ植物と違って、室内で植物を育てるには、人がメンテナンスを行う必要がある。室内には様々な環境がある。光、温度、空気の動きなど、光合成を活発にする環境をどのようにするかを考えなければならない。植物を元気に育てるには、水や養分を活発に吸い上げて生長する根の状況を把握しなければならない。また、低コストのメンテナンスシステムも重要なポイントである。植物の環境改善・健康価値を最大限に活用し、機能性を持った植物を室内に設置するには、どのようにしたらよいのかを検討していくべきであろう。
ガラスリサイクル資材を利用した ハイドロカルチャー緑化
空気中の二酸化炭素やVOC(揮発性有機 化合物)を吸収分解する植物には環境改善価 値があるが、植物の植込み材料にも環境改善 価値を持った資材がある。
ガラス瓶は色々な用途で生産されているが、 その生産数は大小合わせると年間1億本を超 える。この中で再利用されるものは50%を切って いるようだ。廃棄されるガラス瓶は大きな環境害 になっているのも事実である。そこで、この廃ガ ラスを粉末にして焼成発泡させ、多孔質な軽量 資材として利用価値を向上したものが「スー パーソル」という名前で利用されている。大きな
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