芦屋市「芦屋川特別景観地区」のランドスケープに置かれた屋外広告の色彩を対象に、都市景観づくりの問題点を浮き彫りにして、改善策を現場から問うシリーズである。この地区は地勢上南北に伸び、市の中心を縦断して、芦屋市の雰囲気づくりのカギとなってきた。シリーズ初回では、屋外広告の色彩の時系列変化を、第2回ではAdobe Capture CCのカラーテーマ機能を使った目立つ色の記録、発見、評価を解説してきている。
今回は視点を移し、調査地区「芦屋川特別景観地区」を東西に横断する国道2号線を延長し、隣接した神戸市・西宮市に至るまでの看板の設置状況をシークエンス景観の面から比較することで、都市景観として快適な幹線道路の環境改善を目指す。【図1、2、3】国道2号線沿いの3つの自治体―兵庫県神戸市・芦屋市・西宮市の屋外広告の色のまとめ方や掲出を比較して、ランドスケープの調和、および連続性について考えたい。
塚本惣一郎
つかもとそういちろう
東京農業大学造園学科卒業 。英国クラスゴー大学マッキントッシュ・スクール・オブ・アーキテクチュア大学院修士課程修了 。株式会社塚本惣一郎アーシテクト・ドゥ・ペイザージュ主宰 。東京駅八重洲口駅前広場、彫刻の森美術館リニューアル、いわき平中央公園、金沢海みらい図書館などのほか数多くの海外プロジェクトも手掛ける。武庫川女子大学景観建築学科非常勤講師。
第3回
地域を超えたシークエンス景観における屋外広告の色彩とデザイン
【発表者】塚本惣一郎(株式会社塚本惣一郎アーシテクト・ドゥ・ペイサージュ) 日髙杏子 ( 芝浦工業大学)