Design Matters, design can solve the problem. (Bill Callaway, ex President of The SWA Group)
COVID-19禍、ランドスケープデザインで市民の不安を和らげる
Forest Promenade Project(Laguna Beach, California, U.S.A.)
─レポート・写真・資料=永松功一郎(SWA)─
この原稿を書いている夏真っ盛りのアメリカでは、未だパンデミック (感染爆発)の収束が予測できない状況にあります。日々の感染者数、 死亡者数ともに、減少を見るどころか日々更新を続け、一時は解除さ れていたStay at Home(ステイアットホーム)令が7月15日に州政府か ら再度発令されました。毎朝のテレビニュースでは、 新たな死亡者数 の報告とともに、注意喚起が止むことなく続けられています。経済活 動の再開を連邦政府が推し進めていますが、実際の対応については 州ごと、市ごとに様々に判断され、さらには今年2020年が大統領選 挙の年にも当たるため、疫病の医学的、科学的な事実が解明されて いない現段階では、経済再開に感情的、政治的な主張が優先する事 態となっています。
ホワイトカラー業界の一部では、リモートワークという対処法でこの 経済的危機を乗り越えようと、すでに適応を済ませている組織も見 受けられるようですが、そうした対応ができる業態はごく一部に限ら れているだろうことは、米国の失業保険の申告者数が過去の記録を 更新し続けていることからも明らかです。直接的な人的接触を避け ることのできない大半のビジネスは未だに困難に直面したままです し、家族経営の小規模な企業や商売の多くが長期の休業や廃業を 余儀なくされています。
日本と同様に、経済活動の再開が喫緊の課題の一つとなってい るアメリカですが、本稿では、こうした行き詰まっている路面店舗商 売を再開させる一つの試みとして、実際に整備され、高評価を得て いるプロジェクトを紹介します。
カリフォルニア州ラグナビーチ市は、ロサンゼ ルス国際空港から南へ車で約1時間の距離に ある、いわゆるビーチシティと呼ばれる町の一つ です。人口2万人程度の小さな町ですが、暖か くなり出す4月からは、学校の春休みと相まって、 その浜辺が人びとを誘惑し始め、アートフェス ティバルが開催される7、8月の2ヶ月間は、全米
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