すべてが公園のようなまちをつくる
■出席者
つじのまきこ 辻野真貴子氏(町田市都市政策課担当課長)
かとうえりこ 加藤英理子氏(東急株式会社 開発事業部 南町田開発グループ 事業推進担当 課長補佐)
※2019年度まで
ふくおかたかのり 福岡孝則氏(Fd landscape)
つきはしおさむ槻橋 修氏(ティーハウス建築設計事務所・神戸大学大学院准教授)
南町田グランベリーパークは既存のまちの構造を全面的に見直し、官民一体となってつくりあげた 回遊性の高いシームレスなまちづくりプロジェクトである。
本プロジェクトは公園と商業施設をつなげ、まるで一つの「パーク」のようにつくりあげている。
本プロジェクトにおいて公園や商業のランドスケープや商業施設、市民との連携等、中心的な立場 で関わってきた4名に計画当時の様子を語っていただいた。
何故、公園を中心にした街区を つくることになったのか
福岡 本プロジェクトで重要なのは、商業 と公園の計画設計が一体的に、同時並行で 進んだことです。私と槻橋さんで2016年春 からランドスケープ計画設計チームとして 関わってきました。まず最初に、なぜ公園 を中心とした街区をつくることになったか、 町田市の辻野さんからお話頂けますか。
辻野 当時は南町田駅に自由通路がなかっく、南北を行き来する道が脆弱だったため、 この問題について鉄道事業者の東急と話し 合いを進めてきました。また、「国道16号町 田立体事業」という大きな事業に付随して 駅前広場をつくることが決まっていました。 計画を進めていく中で、グランベリーモールが2000年から開業して10年経ち、こ れからどうするのかという話が出てきまし た。ならば、建て替えるだけではなくて、 「次のまちづくりという意味において何が できるのだろうか」と考え、モールと公園が 隣り合う地形に注目したんです。
町田市としては駅前の歩行者環境の改善 という課題がもともとあり、両者で議論して いく中で、駅周りやモールだけでなく、公園 までもレンジに入れ、道路の再配置も躊躇 せず大胆に施す、そうすることで、当初の 課題解決を含め、まったく新しい魅力を備 えた回遊的な駅前空間をつくりだせるので はないか、と考え始めたのです。そのイメー ジを両者で共有できたのが2014年頃だった と思います。そこからは、計画から整備ま で、留まることなくかなりのスピードで物事
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