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#91 自由な形式感のはじまり-サン=サーンス『チェロ協奏曲第1番』

#91 自由な形式感のはじまり-サン=サーンス『チェロ協奏曲第1番』

Fromフレンチ・クラシック・カフェ


#91 自由な形式感のはじまり-サン=サーンス『チェロ協奏曲第1番』

Fromフレンチ・クラシック・カフェ

ratings:
Length:
14 minutes
Released:
Apr 28, 2023
Format:
Podcast episode

Description

弦楽器にとっての名人芸/ virtuosity である、難しいポジションを駆使する重音奏法をあまり使わないサン=サーンスの協奏曲は、ひたすら弦楽器の滑らかな音を、三連符の多用で無窮動(むきゅうどう)/Perpetuum mobile のような世界を創ります。
しかし、その動きがふと途絶えた刹那、中空に漂うような錯覚を抱くような静寂と敬虔な祈りの音楽が聞こえて来る、というのも、あのパリ・マドレーヌ寺院の広大で深い空間を熟知しているからでしょうか。
個人的な体験として、マドレーヌ寺院でヘンデルの大曲『メサイア』を指揮した時、ギリシャ神殿のような遮るものの無い、凄まじく広い直方体の中を、音の振動が空気を伝わって行くのを直に感じて、身震いした記憶が鮮明に残っています。
(中田昌樹)

【出演】中田昌樹(指揮者)  
【演奏】カミーユ・サン=サーンス作曲『チェロ協奏曲第1番 イ短調』 第3部 ジャン=フランソワ・モナール/指揮 マリア・クリーゲル/チェロ
    ボーンマス・シンフォニエッタ/演奏
    イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行  
【提供】笹川日仏財団
Released:
Apr 28, 2023
Format:
Podcast episode

Titles in the series (100)

笹川日仏財団がお届けするプログラム「フレンチ・クラシック・カフェ」。フランス音楽の素敵なところをちょっと変わった切り口でご紹介します。ご案内役は軽妙なトークで定評のある指揮者の中田昌樹さんです。 《中田昌樹プロフィール》 1951年札幌生まれ。道立札幌西高校卒業。国立音楽大学器楽学科卒業後、フランスに留学。パリ・エコール・ノルマル音楽院指揮科を一等賞首席にて卒業。アメリカ・タングルウッドで小澤征爾、バーンスタインの教えを受ける。 パリ・コンセール・パドゥルー管弦楽団を指揮してヨーロッパデュー、その後、フランス国立リヨン管弦楽団で音楽監督セルジュ・ボドのアシスタントを務める。ベルリン放送交響楽団、ブルガリア国立ソフィア室内管弦楽団などヨーロッパ各地で指揮。 帰国後、新国立劇場開場当初からオペラ制作に携わり、オペラ研修所特任講師も務める。 吹奏楽の分野では、吹奏楽コンクール全国大会/支部大会/県大会の審査、各地の指揮講習会の講師を長年に渡って担当。 札幌大学文化学部 客員教授、新国立劇場オペラ制作部 専門員、新国立劇場オペラ研修所特任講師 、Institut Francais du Kyushu (九州日仏会館) 『フランス音楽の陰影』レクチャー講師 等を歴任。