佐藤宏光氏(株式会社テン・ランドスケープアソシエイツ 代表取締役)
オウミ アキ氏(office ma ファウンダー・クリエイティブディレクター)
目黒朋美氏(トモルデザイン・メグロ株式会社 代表取締役)
ランドスケープを設計する上で、必ず入れ込まなければいけない機能がある。なかにはデザインに影響するこ ともあるであろうが、その時デザイナーはどう考えるのか。そんな疑問を佐藤宏光氏に投げたことが今回の座 談会につながった。佐藤氏が呼びかけたデザイナーは、アメリカに事務所を構えアメリカを中心に日本、中国 など世界で活動するオウミ アキ氏とホテルや複合施設の照明、景観・ランドスケープ照明も手がける照明デザ イナーの目黒朋美氏だ。座談会のテーマは「機能と美」としたが、3 人の話はランドスケープの本質に触れる ものであった。果たして機能と美は両立するのか、そして両立させるためには何が必要なのか、3 人の話から 探って欲しい。
【協力=株式会社ユニマットリック 撮影=編集部】
機能を満たしながら美を創出する
LD編集部(以下、LD) 本日の座談会のテーマは「機能 と美」です。様々なプロジェクトをデザインされる中で、 必ず求められる機能があると思います。同時にランド スケープとしての美も求められます。時には機能と美 のせめぎ合いがありどちらに比重を置くべきかという ことで悩まれることもあると思いますが、その時どう考 えるのかということをお話しいただき、ランドスケープ デザインに携わる方たちのヒントになればと思ってい ます。
佐藤宏光氏(以下、佐藤。敬称略) 私は機能と美は別 のものではないと考えています。これまでプレゼンに際 して「美しい」という言葉をコンセプトの柱に使うこと は、なかなかハードルが高いことでしたが、近頃は「美 しい」と堂々と主張できるようになったと感じていま す。つまり「美」や「心地よさ」も機能のひとつであり、美 しいと主張することが説得力を持ってクライアントに 届く時代になったんだと思います。そのひとつの要因と してSNSの普及が挙げられると思います。さまざまな 情報、美しい風景のビジュアルなどが誰でも簡単に入