LANDSCAPE DESIGN ランドスケープデザイン

草屋根工法の18年 −屋根の上の原っぱを目指して−

「都会に残された最後の空間は屋根。その空間 に人々が『面白い』と感じるような草屋根をつ くって欲しい。同じように草屋根をつくりた いという人が増えれば、少しずつでも環境は よくなっていく」

これが、初めて草屋根の依頼を受けた際に クライアントから発せられた言葉だった。 2001年秋のことである。

当時、屋上緑化においては、「より軽く、よ り薄く、より手間がかからない」緑化技術が求 められていた。バブル崩壊後の深刻な不況も 影響していたのだろう。しかしクライアント からは、そうした潮流とは関係なく「可能な限 り土壌を厚くして欲しい。植物が虐げられて いるような環境はつくらないで欲しい」とい うミッションを与えられた。

こうして開発を始めたのが草屋根工法であ る。(詳しくは、ランドスケープデザインNo.29 『田舎の多様な自然を復元した都会の草屋根  三鷹の森ジブリ美術館のスタッフ用アトリ エ』を参照されたい注)。)

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